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 「廃掃法」とは「廃棄物の処理と清掃に関する法律」の略称であり(「廃棄物処理法」とも略す)、国の廃棄物・リサイクル対策推進に関する基本法である「循環型社会形成推進基本法」の実施法として、「建設リサイクル法」や他のリサイクル関連法と併せ、一つの体系をなしている。

「廃掃法」はこれら実施法の中で、他のリサイクル関連法を特別法とする一般法として位置づけられており、リサイクル関連法に規定のない事項は「廃掃法」に従い実施する必要がある。

 そして、「廃掃法」は、「廃棄物の排出を抑制、適正処理し、生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全、公衆衛生の向上を図ること」を、その目的として作られている。

 1. 廃掃法の区分と適用対象者
 廃掃法の区分、内容、適用対象者は次の表1の通りとなる。

 表1 廃掃法の区分、内容、適用対象者
区分
内容
適用対象者
排・事*許・業*市民*行政*
第1章総則
第2章
一般
廃棄物
1節  一般廃棄物の処理
2節一般廃棄物処理業
3節 一般廃棄物処理施設
4節一般廃棄物処理の特例
5節 一般廃棄物の輸出
第3章
産業
廃棄物
1節 産業廃棄物の処理
2節 情報処理センター及び
産廃適正処理推進センター
3節 産業廃棄物処理業
4節 特別管理産業廃棄物処理業
5節 産業廃棄物処理施設
6節 産業廃棄物処理の特例
7節 産業廃棄物の輸入及び輸出
第3章の2廃棄物処理センター
第3章の3廃棄物が地下にある
土地の形質の変更
第4章 雑則
第5章 罰則
          *排・事:排出事業者(自社処理事業者含む)
          *許・業:許認可業者
          *市民:一般市民
          *行政:行政等(国・地方公共団体、関係法人含む)

2. 廃掃法の区分ごとの概要

   2・1 総則 (法第1条~5条の8)
 法の目的、定義、処理原則、国民・事業者・国・地方公共団体の責務、基本方針、計画・推進等について定められている。

 事業者の責務では、事業活動に伴う廃棄物は事業者責任で適正処理すると規定されている。
又、定義では、廃棄物の種類(一般廃棄物、特別管理一般廃棄物、産業廃棄物、特別管理産業廃棄物)についての記載がある。次項以降のように廃棄物の種類により規定が異なり、これを間違えて処理、委託処理すると違法となるので、この違いには特に注意する必要がある。

   2・2 
般廃棄物 (法第6条~10条)
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 (1) 一般廃棄物の処理 (第6条~6条の3)
 一般廃棄物の処理計画、市町村の処理、事業者の協力等について定められている。

 一般廃棄物は市町村に処理責任があり、処理計画を立て、処理基準に従い、委託する場合は委託基準に従い、処理をする。特別管理一般廃棄物も同様に、市町村が処理基準、委託基準に従い処理する。
またこの処理計画に基づき、市町村は必要に応じて次項の一般廃棄物処理業の許可をするが、排出事業者は自ら処理できない場合、委託基準に従い、その許可業者等に委託する必要がある。
 
 (2) 一般廃棄物処理業 (第7条~7条の5)
 市町村長権限の、一般廃棄物/特別管理一般廃棄物処理業(収集運搬、処分業)の新規・更新・変更許可要件、処理基準、事業停止、許可取消し、名義貸しの禁止等について定められている。

 一般廃棄物/特別管理一般廃棄物処理業の手続はこの項に従って行われるため、処理業者にとっては特別に重要な条項である。
  
 (3) 一般廃棄物処理施設 (第8~9条の7)
 都道府県知事権限の、 一般廃棄物処理施設の申請手続き、新規・変更許可要件、施設の維持管理基準、改善命令、許可取消し、施設の譲受け・合併/分割・相続等について定められている。

 一般廃棄物処理施設の申請、許可・取消し手続であるため、施設設置者には重要な条項である。
一般廃棄物を自社処理する事業者の施設も対象となるので、特に注意が必要である。
その他 、熱回収施設の認定の特例、市町村の一般廃棄物処理施設の設置及び非常災害時の設置届出の特例並びに市町村委託事業者の非常災害時の設置の特例等について記載されている。

 (4) 一般廃棄物処理の特例 (第9条の8~9条の10)
 環境大臣権限の、一般廃棄物の再生利用・広域的処理の特例認定及び一般廃棄物(石綿含有)の無害化処理の特例認定に関する申請、認定要件、変更・取消し等について定められている。
 再生利用等を計画する事業者は特に注意が必要である。

 (5) 一般廃棄物の輸出 (第10条)
 環境大臣による、一般廃棄物の輸出に関する確認要件が定められている。
 輸出を計画する排出事業者は特に注意が必要である。

 
   2・3 産業廃棄物 (法第11条~15条の4の7)
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 (1) 産業廃棄物の処理 (第11~13条)
 産業廃棄物は排出事業者に処理責任があり、その処理基準、保管基準、委託処理する場合の委託基準等が定められている。同様に特別管理産業廃棄物の処理基準等も定められている。

委託処理する場合に使用する産業廃棄物管理票及びこれをインターネット上の電子データとして運用する、いわゆる電子マニフェストの手順についても規定されている。
又、都道府県知事による、事業者への勧告、命令、及び、必要と認める場合の地方公共団体の処理についても記載されている。

 (2) 情報処理センター及び産業廃棄物適正処理推進センター (第13条の2~13条の16)
 環境大臣が指定する、電子マニフェストの運用を行う情報処理センターの業務並びに事業者に対し産業廃棄物の処理法、体制整備の助言・支援等の情報提供や研修及び都道府県が行う支障の除去への協力等を行う産業廃棄物適正処理推進センターの業務について定められている。

 (3) 産業廃棄物処理業 (第14条~14条の3の3)
 都道府県知事権限の、産業廃棄物処理業(収集運搬、処分業)の新規・更新・変更許可要件、処理基準、再委託基準、事業の停止、許可の取消し、名義貸の禁止等について定められている。

 産業廃棄物処理業の申請、許可・停止/取消しはこの項の手続によって行われるため、処理業者にとっては特別に重要な条項である。

 (4) 特別管理産業廃棄物処理業 (第14条の4~14条の7) 
 都道府県知事権限の、特別管理産業廃棄物処理業(収集運搬、処分業)の許可要件、処理基準、再委託基準等について、産業廃棄物処理業と同様に定められている。

 特別管理産業廃棄物処理業者にとっては特別に重要な条項である。
なお、特別管理産業廃棄物処理業の許可で特別管理一般廃棄物処理業を行うことが可能である。

 (5) 産業廃棄物処理施設  (第15条~15条の4)
 都道府県知事権限の、 産業廃棄物処理施設(政令で定める産業廃棄物処理施設)の申請手続き、新規・変更許可要件、定期検査、施設の維持管理基準、改善命令、許可取消し、施設の譲受け・合併/分割・相続等について定められている。

 産業廃棄物処理施設の申請、許可・取消し手続であるため、施設設置者には重要な条項である。
産業廃棄物を自社処理する事業者の施設も対象となるので、特に注意が必要である。
その他、産業廃棄物処理施設の一般廃棄物処理施設への転用及び非常災害時の同様転用の届出並びに熱回収施設の認定の特例等も記載されている。

 (6) 産業廃棄物の処理に係る特例 (第15条の4の2~15条の4の4)
 環境大臣権限の、産業廃棄物の再生利用及び広域的処理の特例認定並びに産業廃棄物(石綿含有)の無害化処理の特例認定に関する申請手続、認定要件、取消し等について定められている。
 再生利用等を計画する事業者は特に注意が必要である。

 (7) 産業廃棄物の輸入及び輸出 (第15条の4の5~15条の4の7)
 環境大臣権限の、産業廃棄物の輸入・輸出に関する許可・確認要件等が定められている。
 輸出入を計画する事業者は特に注意が必要である。

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   2・4 廃棄物処理センター (法第15条の5~15条の16)
 環境大臣権限の、廃棄物の広域処理を目的に国・地方公共団体関連の法人等(PFIを含む)が設立する廃棄物処理センターの指定に関する、手続、業務、報告・検査、監督命令、取消し等について定められている。

 行政の「民間資金等の活用による公共施設等の整備」(PFI)事業等に参加する場合には、注意が必要な条項である。

   2・5 廃棄物が地下にある土地の形質の変更 (法第15条の17~15条の19)
 都道府県知事権限の、廃棄物が地下にある土地の指定に関する手続 、及び土地の形質変更届出・計画変更命令等の手続が定められている。
 開発行為を計画する際には注意が必要な条項である。

   2・6 雑則 (法第16条~24条の6)
 廃棄物の取扱い・処理に関する一般禁止・制限事項、行政による報告の徴収、立入検査、改善・措置命令、支障除去の措置等について定められている。
又、都道府県知事による廃棄物再生事業者登録、廃棄物処理施設の技術管理者・事故時の措置、建設工事廃棄物処理に関する例外、国・地方公共団体の事務等の事項が記載されている。

 廃棄物再生事業者登録、廃棄物処理施設の技術管理者・事故時の措置、建設工事廃棄物処理に関する例外には、関係者は特に注意する必要がある。

   2・7 罰則 (法第25条~34条)
 無許可営業、不正許可取得等の重罰から登録業者名称不正使用等の過料迄定められている。

 中でも、法人/人の業務に関し個人が違反行為をした場合、個人及び法人/人共に罰則を適用する両罰規定があり、法人には多額の罰金刑が課せられるので、注意が必要である。
なお、これら法違反に対する罰則は、許可取消し、業務停止等の行政処分とは別のものであり、法違反の罰則と行政処分は併行して課せられるので、注意しておく必要がある。