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 許可が必要な廃棄物処理施設の設置許可の申請のまえに、調査すべき関係法令を示す。

 これらをもとに、設置しようとしている
都道府県(政令市をふくむ)で許認可権限のある、当該関係法令の所轄部門での確認、相談が必要である。

 また、これらの法令にもとづき、あるいは独自に、都道府県(政令市)の条例などでさらにきびしく規定しているところもあるので、特に注意する必要がある。

■目次


1.都市計画関係法  ▶2.自然環境保全関係法  ▶3.災害防止関係法
4.環境保全関係法  ▶5.事故防止、その他の関係法  ▶6.まとめ他

1.都市計画関係法 

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 表1に確認が必要な都市計画関係の法令を示す。


 廃棄物処理施設の設置予定候補地を決める段階で、敷地の購入、貸借などの権利移転の契約のまえに都道府県(政令市)の関係部門で、施設が設置できる区域、地区なのかなど、都市計画上(区域内/区域外共)の確認、相談が必要である。

原則設置不可でも、ばあいによっては地域事情などにより、申請手続きで設置可能となることもある。

 

  表1 都市計画関係参照法令

No.

主務省

法令名

関係する内容

1

国交省

建築基準法

住居地域、商業地域は建築不可。(原則工業系地区)

都市計画で位置決定していないと新・増築できない。但し、特定行政庁が都計審の議を経て許可した場合、又は政令規模の範囲内で新・増築する場合は建築可能。

2


都市計画法

都市計画の区域区分毎に一定規模以上の開発行為は許可制。風致地区には設置不可。建築、宅地造成その他の行為は許可制。(風致地区内建築規制条例制定基準政令第3条)

3

都市緑地法

特別緑地保全地区には設置不可。建築その他の行為は許可制。

4


首都圏近郊緑地保存法、近畿圏保全法

近郊緑地特別保全地区には設置不可。近郊緑地保全区域内の建築その他の行為は届出制。

5

生産緑地法

生産緑地には設置不可。緑地内の新築その他の行為は許可制。

6

都市公園法

都市公園内は設置不可。工作物、施設等を設けての占有は許可制。

7

景観法

景観地区、準景観地区には設置不可。開発その他の行為は許可制。

8

港湾法

臨港地区の工業港区以外設置不可。港湾隣接地区内の占有は許可制。臨港地区内の建設その他の行為は届出制。

9

集落地域整備法

集落地域には設置不可。集落地域内の土地区画形質の変更、建築物の新築その他の行為は届出制。

10

土地区画整理法

土地区画整理事業施行地域内の土地の形質の変更、建築その他の行為は許可制。

11

国土利用計画法

地価高騰防止の「規制区域」の土地の所有・地上・使用権の移転及び設定契約(土地売買等の契約)は許可制。

一定規模以上の土地売買等の契約による権利取得は権利移転・設定の届出が必要。地価上昇防止注視・監視区域の土地の所有・地上・使用権の移転及び設定契約(土地売買等の契約)は届出制。

12

農水省

農地法

優良農地には設置不可。農地転用は許可制。

13

農振法

農用地区域には設置不可。農用地区域内の開発行為は許可制。

14

土地改良法

国有地の農用地等土地改良財産(埋立地含む)の他目的への使用は大臣承認要。

15

漁港漁場

整備法

漁港区域内の工作物の建設、土地の掘削、水面・土地の占有その他の行為は許可制。

16

文科省

文化財保護法

伝統的建造物群保存地区等文化的価値の高い場所には設置不可。埋蔵文化財、史跡名勝天然記念物に関する現状変更行為は許可制。


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2.自然環境保全関係法

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表2に確認が必要な自然環境保全関係の法令を示す。


 廃棄物処理施設の設置予定候補地の購入、貸借などの権利移転の契約のまえに、第1項の都市計画関係法と同様に都道府県(政令市)の関係部門で、施設が設置できる区域、地区なのかなどの確認が必要である。


  表2 自然環境保全関係参照法令

No.

主務省

法令名

関係する内容

1

環境省

自然公園法

国立公園、国定公園の区域は設置不可。建築、埋立その他の行為は特別地域内は許可制、普通地域内は届出制。

2

自然環境保全法

原生自然環境保全地域、自然環境保全地域の特別地区内は設置不可。開発その他の行為は自然環境保全地域の特別地区内は許可制、普通地区内は届出制。

3

鳥獣保護法

鳥獣保護区の特別保護地区内は設置不可。特別保護地区内の新築、埋立その他の行為は許可制。

4

種の保存法

生息地等保護区内の管理地区は設置不可。建築、土地の形質変更その他の行為は管理地区内は許可制、保護区内の管理地区以外は届出制。


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3.災害防止関係法

 表3に確認が必要な災害防止関係法を示す。


 同様に廃棄物処理施設の設置予定候補地の購入、貸借などの権利移転の契約のまえに、都道府県(政令市)の関係部門で、施設が設置できる区域、地区なのかなどの確認が必要である。

第1項の都市計画関係法と同様、
原則設置不可でも、ばあいによっては地域事情などにより、申請手続きで設置可能となることもある。


  表3 災害防止関係参照法令

No.

主務省

法令名

関係する内容

1

国交省

河川法

河川区域、河川保全区域、河川予定地には設置不可。

土地の占有/形状変更、土石等の採取、工作物の新築その他の行為は許可制。

50㎥/日以上の汚水排出は届出制。(施行令16条の5)

2

急傾斜地法

急傾斜地崩壊危険区域には設置不可。危険区域内の工作物設置、掘削、立木竹伐採その他の行為は許可制。

3

土砂災害防止法

土砂災害特別警戒区域には設置不可。

4

砂防法

砂防指定地には設置不可。

5

宅地造成等規制法

宅地造成工事規制区域内には設置不可。

6

公有水面埋立法

公有水面(国所有の河、海、湖、沼その他の公共水流、水面)の埋立は免許制。

7

農水省

国交省

地すべり等防止法

地すべり防止区域には設置不可。区域内の地下水の増加/排除阻害又は工作物の新築その他の行為は許可制。

8

海岸法

海岸保全区域、一般公共海岸区域には設置不可。当該区域内の占有、土地の掘削その他の行為は許可制。

9

農水省

森林法

保安林、保安林予定森林、保安施設地区、保安施設予定地区には設置不可。当該保安林(予定含む)、保安施設地区(予定地区含む)での立木の伐採、土地の形質変更その他の行為は許可制。保安林指定解除は許可制。

地域森林計画対象民有林(前記保安林、保安施設地区は除く)での開発行為は許可制。

10

経産省

国交省

砂利採取法

砂利採取施設跡地利用は当初採取計画(採取後埋戻等)確認要。砂利採取計画は認可制、変更認可困難。

11

経産省

採石法

岩石採取場跡地利用は当初採取計画(採取後埋戻等)確認要。採取計画は認可制、変更認可困難。


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4.環境保全関係法

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 表4に確認が必要な環境保全関係法を示す。


 廃棄物処理施設の設置許可申請のまえに、都道府県(政令市)の関係部門で、当該施設が該当するのか、申請手続の時期などの確認が必要である。


  表4 環境保全関係参照法令

No.

主務省

法令名

関係する内容

1

環境省

環境影響評価法

環境アセスメントが必要な事業に次が該当

・一般/産業廃棄物最終処分場の設置事業(埋立処分場所面積30ha以上)

・火力発電所の設置工事事業(出力15万kw以上)

・火力発電所の設置工事事業(地熱利用で出力1万kw以上)

2

ダイオキシン特措法

届出が必要な特定施設に次の廃棄物焼却炉が該当

・火床面積0.5㎡以上又は焼却能力50㎏/時以上のもの

・廃ガス洗浄施設、湿式集じん施設を有するもの

・灰の貯留施設から汚水等を排出するもの

その他の届出が必要な特定施設は

・廃PCB等又はPCB処理物の分解施設

・PCB汚染物又はPCB処理物の洗浄施設又は分解施設

3

大気汚染防止法

届出が必要なばい煙発生施設に次の廃棄物焼却炉が該当

・火格子面積が2㎡以上

・焼却能力が200㎏/H以上

4

水質汚濁防止法

届出が必要な特定施設に次のものが該当

・廃棄物処理施設である焼却施設

・汚泥の脱水施設(10㎡/日超え)

・廃油の油水分離施設(10㎡/日超え)

・廃酸又は廃アルカリの中和施設(50㎡/日超え)

・汚泥、廃酸又は廃アルカリに含まれるシアンの分解施設

・廃PCB等又はPCB処理物の分解施設

・PCB汚染物又はPCB処理物の洗浄施設又は分解施設

・し尿処理施設

5

浄化槽法

浄化槽の設置は届出制。

6

騒音規制法

届出が必要な特定施設に次のものが該当

・空気圧縮機、送風機(原動機定格出力7.5kW以上)

・土石用・鉱物用の破砕機、摩砕機、ふるい、分級機(原動機定格出力7.5kW以上)

・建設用資材製造機械のアスファルトプラント(混練機の混練重量200kg以上)

・木材加工機ののうち、チッパー(原動機定格出力2.25kW以上)、砕木機

7

振動規制法

届出が必要な特定施設に次のものが該当

・圧縮機(原動機定格出力7.5kW以上)

・土石用・鉱物用の破砕機、摩砕機、ふるい、分級機(原動機定格出力7.5kW以上)

・木材加工機のチッパー(原動機定格出力2.2kW以上)

8

悪臭防止法

敷地境界・煙突等排出口の気体、敷地外排出水が都道府県条例の規制基準値以下。

9

国交省

下水道法

下水道排除特定施設(水濁法特定施設、DIOXIN特措法水質基準対象施設)の設置、及び下水道使用開始は届出制。


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5.事故防止、その他の関係法

 表5に確認が必要な事故防止、その他の関係法を示す。


 同様に廃棄物処理施設の設置許可申請のまえに、都道府県(政令市)の関係部門で、当該施設が該当するのか、申請手続の時期などの確認が必要である。


  表5 事故防止、その他の関係法

No.

主務省

法令名

関係する内容

1

総務省

消防法

危険物製造所、貯蔵所、取扱所設置は許可制。圧縮アセチレンガス、LPG等の取扱は届出制。指定数量未満危険物、指定可燃物の取扱は市町村条例基準による。

2

経産省

高圧ガス保安法

高圧ガスの貯蔵は種類により許可、届出制。(300㎥以上)特定高圧ガスの消費は届出制。

3

電気事業法

事業用電気工作物の設置工事は工事の種類、規模により認可、届出制。

4

厚労省

化製場等に関する法律

獣畜・魚介類・鳥類等の肉・皮・臓器等の処理及び貯蔵並びに死亡獣畜取扱は許可制。

5

農水省

肥料取締法

肥料の生産はその種類により登録又は届出制。

6

国交省

道路法

道路自費工事は道路管理者の承認が必要。


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6.まとめ他

 どうであろう、廃棄物処理施設の許可申請のまえに調査が必要な関係法令は多岐にわたり、多数あるようにみえ、当惑していることと思う。

 しかし、実際にはこれらの法令のうち関係がありそうなものを選択して、確認するので、調査する数はずっと減ることになる。安心して欲しい。

 たとえば、第1項~3項の都市計画関係法、自然環境保全関係法、および災害防止関係法では、まず、都市計画上(区域内/区域外共)でどのような区域、地区に指定されているかを確認する。
すると、ほぼ一義的に適用法令が決まり、その部分の調査、相談で必要な手続がわかることになる。

 ただし、繰り返しになるが、これらの法令にもとづき、あるいは独自に、都道府県(政令市)条例などでさらにきびしく規定しているところもあるので、注意してもらいたい。

 廃棄物処理施設の設置を計画するときの、参考にしてもらえると幸いである。

 なお、これらの関係法令は、工場の一形態である廃棄物処理施設に適用されるものを記載してある。
したがって、廃棄物処理施設を設置しない工場、事業所の立地のときにも、条項は異なる部分もあるとはおもうが、調査すべき対象法令となるので、この場合もあわせて参考にしてもらえれば幸いである。

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