3 (2)

1. 廃棄物処理施設とは 
 一般/産業廃棄物を処分(中間処分、最終処分)する場合、その処分方法に適した機械、設備、土地、その他の施設が必要になる。
廃掃法(廃棄物の処理と清掃に関する法律)ではこれらの施設のうち、廃棄物の種類毎にある一定規模以上の処理能力、面積があり、法令で規定されたものが「廃棄物処理施設」になる。

 この「廃棄物処理施設」を使用して廃棄物を処分する場合、廃掃法の一般/産業廃棄物処分業の許可とは別に、事前に都道府県知事(政令で定める市長を含む)から「廃棄物処理施設」の設置許可を得る必要がある。

 これは、他人の廃棄物を処分する、許可が必要な廃棄物処理業者だけでなく、事業活動に伴い排出された自社の廃棄物を自ら処分する、自社処理事業者も同様に「廃棄物処理施設」の設置許可を得る必要があるので、特に注意が必要である。


2. 廃棄物処理施設の種類 
 「廃棄物処理施設」も廃棄物の種類と同様に、施設の大区分として「一般廃棄物処理施設」と「産業廃棄物処理施設」に分けられる。
 
 一般廃棄物は「一般廃棄物処理施設」で処理出来るが、他の区分である、産業廃棄物を許可なく処理することはできない。同様に、産業廃棄物は「産業廃棄物処理施設」でしか処理することはできない。

     

       
図1 廃棄物処理施設の種類


2・1 一般廃棄物処理施設
 許可が必要な一般廃棄物処理施設の種類、対象廃棄物、処理能力は表1の通りである。

   表1 許可が必要な一般廃棄物処理施設

No.

施設種類

対象廃棄物

処理能力

都計審の議を経た許可が

必要な施設の要件

1

ごみ処理施設

ごみ

5t/日以上

処理能力:

  3000人/日超え

(1団地内では

   1万人/日超え)

1-2

ごみ焼却施設

ごみ

200kg/時間以上

火格子面積2㎡以上

2

し尿処理施設

し尿

全て

3

一般廃棄物

埋立処分場

一般廃棄物

全て


 これらの施設(埋立処分場除く)は建築基準法の工場に該当すると考えられるため、都市計画区域内では、原則工業系地域にのみ建築が可能である。

 又、これらの施設うち、No.1~2のごみ処理施設、ごみ焼却施設、し尿処理施設で処理能力が3,000人/日超えのものは、建築基準法で言う、都市計画区域内において都市計画で位置が決定していないと建築できない「卸売市場等の用途に供する特殊建築物」に該当する。
このため、
廃掃法の処理施設の設置許可申請前に、都道府県(政令市)都市計画審議会(都計審)の議を経た許可を得る必要がある。(建築基準法第51条ただし書き)

 なお、
No.3の一般廃棄物埋立処分場はこれには非該当のため、この手続きは不要である。


2・2 産業廃棄物処理施設
syoukyaku16 (4)
 許可が必要な産業廃棄物処理施設の種類、対象廃棄物、処理能力は表2の通りである。

  表2 産業廃棄物処理施設

No.


施設種類


対象廃棄物


処理能力

都計審の議を経た

許可が必要な

施設の要件(※1)

1

脱水施設

汚泥

10㎥/日超え

30㎥/日超え


2


乾燥施設


汚泥

10㎥/日超え

(天日乾燥施設は

100㎥/日超え)

20㎥/日超え

(天日乾燥施設は

120㎥/日超え)

4

油水分離

施設

廃油

10㎥/日超え

30㎥/日超え

6

中和施設

廃酸又は廃アルカリ

50㎥/日超え

60㎥/日超え

7

破砕施設

廃プラスチック

5t/日超え

6t/日超え

8-2

木くず又はがれき類

5t/日超え

100t/日超え


9

コンクリート

固型化施設

特定有害物質、有機

塩素・金属類等

化合物含む汚泥


全て


4㎥/日超え

11

シアン化合物

分解施設

汚泥、廃酸、

廃アルカリ

全て

8㎥/日超え

12-2


分解施設

廃PCB等

(付着物等含む)

PCB処理物


全て


0.2t/日超え

13

洗浄施設、

分解施設

PCB汚染物、

PCB処理物

全て

0.2t/日超え

10

ばい焼施設

Hg、その化合物

を含む汚泥

全て

6㎥/日超え

11-2

溶融施設

廃石綿等、

石綿含有廃棄物

全て

全て


3







焼却施設

汚泥(PCB汚染物、PCB処理物を除く)

5㎥/日超え


10㎥/日超え

200kg/時間以上

火格子面積2㎡以上


5

廃油

(廃PCB等を除く)

1㎥/日超え


4㎥/日超え

200kg/時間以上

火格子面積2㎡以上

8

廃プラスチック

100kg/日超え

1t/日超え

火格子面積2㎡以上

12

廃PCB等、PCB

汚染物、PCB処理物

全て

0.2t/日超え

13-2

産業廃棄物(No.3、

5、8、12号除く)

200kg/時間以上

6t/日超え

火格子面積2㎡以上







14




遮断型最終

埋立処分場

産廃、特管産廃

燃え殻、ばいじん、

汚泥




全て




産廃、特管産廃

燃え殻、ばいじん、

汚泥の処理物

特管産廃鉱さい、

及び処理物

安定型最終

埋立処分場

安定型産業廃棄物

全て

管理型最終

埋立処分場

14号の前記以外の

産業廃棄物

全て

※1当該建築物発生廃棄物のみを処理する場合を除く
※1工業地域、工業専用地域内のみ緩和、但し、当該行政庁が許可規模を定めた場合はその規模
 
 第2・1項の一般廃棄物処理施設と同様に、これらの施設(埋立処分場除く)は建築基準法の工場に該当すると考えられるため、都市計画区域内では、原則工業系地域にのみ建築が可能である。

 又、これらの施設うち、No.14の埋立処分場以外のもので、表2の第5列の欄に記載の規模のものは、第2・1項の一般廃棄物処理施設のごみ処理施設等と同様、建築基準法の、都市計画区域内において都市計画で位置が決定してないと建築できない「特殊建築物」に該当する。
このため
廃掃法の処理施設の設置許可申請前に、同様に都道府県(政令市)都市計画審議会(都計審)の議を経た許可を得ておく必要がある。(建築基準法第51条ただし書き)

 又、No.14の埋立処分場は一般廃棄物埋立処分場と同様、これには非該当のため、この手続きは不要である。


3. 環境アセスメント(環境影響評価)との関係 
yosoku20 (2)
 前記、第2項に記載の都市計画審議会の議を経た許可の手続に加え、廃掃法の廃棄物処理施設の設置許可申請時には「生活環境影響調査書」を添付書類として提出する必要がある。

 環境影響調査では、環境影響評価法」による国の基準で、30ha以上の大規模な埋立処分場が対象となっており、環境アセスメントが義務付けられている。
 しかし、殆どの都道府県(政令市)では、より小さな規模の廃棄物処理施設から環境調査、予測、評価、対策を、計画段階、実施段階で、専門家、住民の意見聴取のための審議会、住民説明会等も含め、環境アセスメントとして実施するよう、条例で義務付けている。

 都道府県(政令市)の条例では、ほぼ全ての種類の廃棄物処理施設を網羅、規定しているようであるが、地域事情を考慮して、各都道府県(政令市)により、その内容が異なるため環境アセスメントの実施が必要な施設の種類、規模、手順、期間等の確認が必要である。

 実施するにあたっては、それ相当の期間を見込んでおく必要があるが、このアセスメントの結果報告である「環境影響評価書」が処理施設の設置許可申請に必要な添付書類である「生活環境影響調査書」となる
 又、
この「環境影響評価」は、前記第2項の都市計画審議会の議を経た許可を得る場合の資料としても用いられるので、事前に実施が必要な重要な手続きの一つである。

 なお、「条例」のアセスメント要件以下の下限ギリギリで、アセスメント未実施で施設の設置許可を取得し、2~3年後に、再びアセスメント要件以下の変更申請で施設の規模を拡大する等の行為は、行政関係者から「アセス逃れ」を疑われ、その後の手続に支障をきたす恐れが大きいので、特に注意する必要がある。

4.その他の参照が必要な法令との関係 
 前記第2項の建築基準法、第3項の環境影響評価法、その他の廃棄物処理施設の設置許可申請前に調査が必要な法令との関係は、数が多いため稿を改めて、次に掲載する。

 廃棄物処理施設許可に必須の事前調査法令(記事):
http://yggyosei.blog.jp/archives/19559442.html

 併せて確認、参考にしてもらえば幸いである。